示談交渉の流れ|被害者に立ちはだかる3つの壁とは?

2020/02/10

示談交渉ってどう進めていくの?

示談交渉を自分でするのは難しい?

示談交渉で注意するべき点は?

このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?

この記事では、交通事故の示談交渉の流れと注意点、被害者の方がぶつかりがちな3つの壁について解説しています。
事前に確認しておくことで、より効果的な対策を立てることができます。ぜひご確認ください。

示談交渉の流れと注意点

示談交渉の流れ

交通事故の示談交渉の流れは、次のようになっています。


けがの完治または後遺障害等級認定終了

加害者側任意保険会社から提示額を記した書類が届く

①提示額を受け入れる場合は署名・捺印して返送
②受け入れない場合はその旨を先方に伝える

②の場合、電話・FAXなどで金額を交渉

示談が成立後、加害者側任意保険会社から示談書が届く

示談書に署名・捺印し返送
示談金が振り込まれる


示談交渉は基本的に、加害者側任意保険会社と行います。ただし、加害者が任意保険に入っていない場合は、加害者自身と交渉を行います。

その場合、次のようなトラブルが予想されます。
・加害者が示談に応じない
・加害者側が脅迫めいた交渉をしてくる
・加害者が示談で決まった金額を支払わない

このようなことを避けるためにも、弁護士を間に挟むことが大切です。
▶交通事故の慰謝料・賠償金額についてはこちら

示談書への署名・捺印は慎重に

示談が成立し、示談書が送られてきたら、署名・捺印をする前に必ずしっかりと内容確認をしてください。
示談書に署名・捺印をすると、原則として追加の請求や再交渉はできなくなるからです。

 

示談成立後に新たなけがが発覚しても、もう治療費や慰謝料を請求できないということですか?

示談成立時には予測しようがなかった損害があとから生じた場合は、再交渉できる可能性があります。しかし、加害者側が再交渉に応じないことも考えられます。

示談成立後に思わぬ損害が発覚することに備えて、示談書に「新たな損害が発覚した場合はそれについての交渉を行う」旨を書いておいた方が安心です。

示談交渉には時効がある

示談交渉には時効があります。
正確に言うと、加害者に損害賠償請求できる期間には時効があるので、その時効が切れる前に示談を成立させなければいけません。

加害者への損害賠償請求が可能な期間は、次のようになります。

物損事故事故発生日から3年間
人身事故(後遺障害等級なし)事故発生日から3年間
人身事故(後遺障害等級あり)症状固定日から3年間
死亡事故死亡日から3年間
加害者不明事故発生日から20年間(加害者が判明すると、そこから3年間)

どうしても時効までに示談が成立しそうにないときは、どうするのですか?

そのような場合は、時効を中断させることができます。 交渉が非常に難航している場合や、後遺障害等級認定の審査に時間がかかった場合などは、時効の中断が必要になるかもしれませんね。

示談交渉で被害者に立ちはだかる3つの壁

①提示された金額を妥当だと思い込んでしまう

今時ネットでも示談金の相場額が簡単にわかります。加害者側から提示された金額が低めなら、きちんと気付けると思います。

そう思っている方ほど要注意です。 加害者側保険会社はプロですから、低い提示額でも被害者に納得してもらえるような工夫をするんです。

事前に確認していた示談金の相場と比べて、「加害者側の提示額が低いな…」と思っても、次のように言われたらどうでしょうか。


「ネットに載っているのはあくまで教科書的な金額なので、実際はこれくらいになるんですよ
「この事故の場合は被害者側にも過失があるので、これくらいが相場ですよ」
「本当はもう少し低い金額でもおかしくないんですが、精いっぱい頑張らせていただきました
「弁護士に相談して示談金が増えても弁護士費用が引かれるから、この金額で合意しておいた方が結果的にいいですよ


 

…うっかり納得してしまうかもしれません…。

ネットで確認できる相場額はあくまで教科書的な金額であることや、実際に被害者側の過失も加味すると少し金額が少なくなる可能性があるというのは確かに事実です。
しかしそれを踏まえても、加害者側から提示される金額は低めであることがほとんどです。

また、弁護士に相談すると費用がかかるのも事実ですが、弁護士費用特約を利用すれば、実質無料になります。

 

加害者側にどのように言われても、すぐに提示された金額を受け入れるのではなく、一度弁護士に相談してみてください。ネットで調べるよりも正確に、本当の相場金額を知ることができます。

②加害者側の態度に疲れてしまう

実際に示談交渉に臨まれた方々からは、次のような声が多く聞かれます。


「加害者側の態度が高圧的で不快だった」
「提示額の根拠をきいても、こういうものだから、としか言わない」
「専門用語ばかり使うので、何を言っているのかわかりにくい
「こちらは被害者なのに、心無いことを言ってくる」


加害者側任意保険会社はあくまで加害者側の立場ですので、被害者の方に優しいとは限りません。また、交渉を優位に進めるための戦略として、被害者側に不親切に接している場合もあります。

 

何を質問してもきちんと答えてもらえなかったり、冷たくされたりしたら、ストレスもたまるし気力もなくなるし、とにかく早く交渉を終わらせたいと思ってしまうかも…。

その結果、加害者側の思うように交渉を進められてしまい、もらえるはずの示談金より低い金額しかもらえないということになってしまうのです。

③主張がなかなか通らない

提示された金額よりも高い金額を主張しても、簡単に受け入れてもらうことはできません。たとえ増額交渉に成功したとしても、少ししか増額してもらえないということもあります。

加害者側任意保険会社は、示談交渉も業務のひとつとしているプロです。そのため、知識や戦略、実際の交渉の経験も豊富であるということも忘れてはなりません。

 

しっかりと法律や過去の判例のことを勉強しておけば、対等に交渉できるのでは?

そうとも言えません。たとえどんなに知識があっても、「弁護士ではないから説得力がない」として、聞き入れてもらえないことも多いのです。

実質無料|弁護士となら乗り越えられる理由

ここまでご紹介した3つの壁も、弁護士にお任せいただくことで乗り越えられます。

①妥当な金額を知ることができる
弁護士に詳しい事故の状況や入通院日数などをお伝えいただくことで、より実際の状況に即した示談金の相場を知ることができます。

②加害者側とのやり取りを代行してもらえる
弁護士に示談交渉をお任せいただくことで、被害者の方が直接加害者側任意保険会社とやり取りする必要がなくなります。その結果、やり取りによって生じるストレスが軽減できます。

③被害者側の主張が通りやすくなる
弁護士は交渉のプロですので、同じくプロである任意保険会社に対して効果的なアプローチをします。また、被害者側の交渉人が「弁護士である」ということで、加害者側任意保険会社の態度が軟化することもあります。
その結果、被害者側の主張が通りやすくなります。

弁護士への相談・依頼は、弁護士費用特約を利用することで実質無料になります。
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