休業損害|有休も対象?主婦や学生は?基本から気になる疑問まで解決

2020/02/10

休業損害はどれくらいもらえる?

有給休暇も休業損害の対象になる?

専業主婦や学生も休業損害をもらえる?

このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?

この記事では、休業損害について詳しく解説しています。
計算方法や示談でもめるポイントといった基本情報だけではなく、主婦や学生、サラリーマンや自営業者といった方々それぞれに向けた解説もしています。

休業損害の基本

休業損害の計算方法

休業損害の計算方法は、次のようになっています。

給与所得者の場合
(事故前3か月間の収入÷実労働日数)×休業日数
自営業者の場合
(事故前1年間の所得÷実労働日数)×休業日数

ただしこれは、弁護士が用いる計算方法(弁護士基準)です。加害者側任意保険会社が用いる計算方法(任意保険基準)で休業損害を算出すると、もっと低い金額になります。
任意保険基準での計算方法は各社で異なり非公開ですが、目安としては「5700円×休業日数」に少し上乗せした程度と言われています。

示談交渉時にもめるポイント

示談交渉で休業損害について話し合うとき、次のような点でもめることが多いです。
・日額をいくらにするか
・休業日数をどこまで認めるか

1日当たりの収入は、弁護士基準の計算方法通り「事故前の収入÷実労働日数」とするのが最も妥当です。しかし、加害者側任意保険会社はこれよりも低い金額を日額として提示してきます。そのため、まずはここが争点となりやすいです。

また加害者側は、被害者の休業日数の一部を休業損害の対象外だと主張してくることがあります。
この日の休みは本当に必要であったとはいえない、けがを原因とした休みとは言い切れない、などとして、対象とする休業日数を少なくしてくる可能性があるのです。

 

休業損害も慰謝料のように、交渉次第で金額が変わってしまうんですね。

そうなんです。交渉がうまくいかなかった場合、実際の減収額よりも少ない金額しか支払ってもらえず、赤字になってしまう可能性もあるということです。

主婦・学生向け|休業損害のQ&A

主婦や学生も休業損害の対象?

・専業主婦は収入がないから休業損害はもらえないのでは?
・学生のアルバイトは休業損害の対象外?
そう思われがちですが、どちらも休業損害の対象となります。

任意保険会社が提示してくる金額は、給与所得者の場合と同様「5700円×休業日数」に少し上乗せした程度と考えられます。これに対し、弁護士基準での計算方法は以下のようになります。

専業主婦の休業損害
女性の全年齢平均の賃金(日額10483円ほど)×休業日数
学生の休業損害
(事故前3か月間のアルバイト代の合計÷実労働日数)×休業日数

主婦でもあり給与所得者でもある兼業主婦の場合はどうなるのですか?

勤務時間や仕事での収入によって、「主婦として」休業損害をもらうか「給与所得者として」休業損害をもらうかが決まります。

勤務時間が30時間/週未満
「主婦としての日額」と「給与所得者としての日額」のうち高い方の休業損害を採用
勤務時間が30時間/週以上
給与所得者としての休業損害を採用

けがで新入社員の入社が遅れた場合は?

就活生の交通事故では、次のようなケースもあります。
・けがの治療が長引いたので、内定先への入社が遅れた
・交通事故にあったことで内定を取り消された

こうした場合は、入社が遅れた期間分、休業損害が支払われる可能性があります。

 

ただし、これも少しイレギュラーなケースになりますので、交渉の際は弁護士を挟むことが望ましいです。

会社員向け|休業損害のQ&A

有給休暇の日も休業損害の対象になる?

交通事故のために救急休暇を使った場合は、その日も休業損害の対象になります。
突然の交通事故で手続きを確認する余裕がなく、有給休暇の申請をしておいた、という方も安心ですね。

 

でも、有給休暇ならお給料も支払われるし、実際に損害は出ていないですよね?

お給料の面から言えば、確かに損害は出ていません。しかし有給休暇とは本来、ご本人が自由に自分のために使えるものです。それを交通事故のために使わなければならなかったという意味で、これも損害のひとつとなるのです。

けがで退職した人も休業損害がもらえる?

・交通事故によるけがで仕事ができなくなってしまった。
・長期間の休業により、解雇されてしまった。
そのような場合は、退職後も休業損害の対象となります。

正確には退職後、次の2つの期間のうち短い方に対して休業損害が支払われます。

実際に再就職先が見つかるまで
再就職先が見つかるまでの期間として相当と考えられる期間

次の仕事が見つかるまでは無収入になってしまうのだから、当然の補償ですね。

しかし、これは少しイレギュラーなケースなので、弁護士から交渉しないと支払ってもらえない可能性があります。また、「会社都合での退職」でないと請求が難しくなるので、注意してください。

会社都合での退職」になるためには、次のことに気を付けてください。

退職勧奨に応じない
退職勧奨はあくまで自主的な退職を促すものなので、応じると「自己都合」での退職になってしまいます。
退職願を提出しない
退職願を出してしまうと、自己都合での退職と見なされてしまいます。解雇通知を待ちましょう。
離職票・退職届を確認
離職票や退職届に、会社都合での退職であることがきちんと書かれているか、確認してください。

でも、実際にけがのためにできる仕事が減っていたり、長期間休んだりして迷惑をかけているのに退職勧奨に応じないというのは、気持ち的に難しい気が…

そうですよね。でも、そこで情に流されてしまうと損をすることになります。退職勧奨をされてどうしたらいいかわからないときは、一人で悩まず弁護士に相談してくださいね。

自営業者向け|確定申告をしていない自営業者はどうなる?

確定申告額が正確でない自営業者はどうなる?

自営業者の方は、確定申告で届け出ている昨年の所得をもとに休業損害を計算します。
しかし中には、確定申告では少し少なめに所得を届け出ているという方、そもそも確定申告をしていないという方もいらっしゃいます。

そのような場合は、帳簿のように実際の所得を証明できるものを用意します。そうすることで、本当の所得に近い金額を昨年の収入として、休業損害を計算できます。

しかし、あくまで確定申告で届け出た金額を所得とすることが原則なので、本当の所得をもとに計算した休業損害額がどの程度認められるかは、示談交渉次第となります。

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